幻のキョンシー映画【新・幽幻道士】あらすじ&感想

「新・幽幻道士/立体奇兵」

立体奇兵

「新・幽幻道士」の作品情報

原題:立體奇兵
製作年:1989年
製作国:台湾
監督:チン・チュンリャン
製作:ツァイ・ヤンミン
出演者:リー・イージェン、チェン・ツーチャン、アンアン、チェン・トンツン、チャイ・ミージェイ、ホン・イーユェン、チャン・キント―、ホァン・ツンイ、パン・サン
上映時間:92分

「新・幽幻道士」のあらすじ

金おじいさん率いる黄色のテンテンチーム、アンピン率いる赤色のアンアンチームが様々な競技で戦い合う『国民運動大会』が開催され、苦戦を強いられたテンテンチームだったが、見事なチームワークで逆転優勝を果たした。
この結果に不満を抱いたアンアンはテンテン、チビクロ、トンボの3人を呼び出し、決闘を申し込んだものの無残にも返り討ちに遭う。
これをさらに根に持ったアンアンは、テンテンたちを困らせるために義荘に忍び込み、金おじいさんが長三道士から預かっていたキョンシーのうち一体を盗み出してしまう。
しかし、そのキョンシー風魔は元道士で自らの姿を透明にする術の使い手だった上に、ふとしたことでお札がはがれてしまい人々を襲い始める。

「新・幽幻道士」の感想

今作は「幽幻道士」シリーズの5作目としてナンバリングされる予定でTBSが日本語吹き替え版を用意していたものの、放映の機会が無かったために長らくお蔵入りの未公開作品となっていました。

そのため日本では幻のキョンシー映画となっていましたが、2006年にアットエンタテイメントからDVDが発売されました。

キョンシー映画には珍しく立体3D映画として製作され、劇場で配布される3Dスコープを用いて鑑賞する事により、該当シーンで映像が飛び出す仕組みとなっていたために題名もそれに沿った形となっています。

過去作品との大きな違いは、ヒロインのテンテンがリュー・ツーイーシャドウ・リュウ)からリー・イージェンに変わっていることです。

テンテン

リー・イージェンは『幽幻道士4でチェンチェンを演じていましたね。

役者が違っても、テンテンの日本語版吹き替えは声優の高田由美さんのままです。

子役のキャストは『幽幻道士4』とほぼ同じですが、キャラクター設定は違います。

テンテン・チビクロ・トンボは金おじいさんとともに暮らしているのですが、アンアンは金持ちのボンボンです。

トンボたち

そのアンアンの父親・安道士をホァン・ツンイ(『幽幻道士』の親方)が演じており、親子そろって嫌な人たちです。

でも、アンアンも安道士も物語の途中で改心して、いい人になるんです。

おなじみのキャラクターと言えば、デブ隊長も出てきます。
妖精のミミが不思議な力でデブ隊長をパンツ一枚にしてしまった時のセリフが面白い。

デブ隊長「やだ~、なんで裸になっちゃうの?乳首見えちゃうじゃない、誰にも見せたことないのよ。やだやだこんなの絶対やだ~。お母さんに叱られちゃうわ。」

この吹き替えはふざけすぎです(笑)。

この『新・幽幻道士/立体奇兵』は、子供たちが楽しく過ごしているシーンが多く描かれていますね。

テンテンたちが運動会で競ったり、妖精ミミとベビーキョンシーに出会って仲良く遊んだりと、ほのぼのとしたシーンがいろいろあります。

ミミとベビキョン

テンテンたちが魔界へ通じる紙の家へ入っていき、その中の不気味な人形たちと踊るシーンはNHKの子供向け番組を観ているようでした。

金おじいさんの師匠でありながら悪いことを企んでいるフウ先生や狂暴なキョンシー風魔と戦うシーンは、あまり緊迫感がない。

ちなみにキョンシー風魔は始めの姿と最後の戦いの姿が全然違います。
フウ先生の法術で狂暴化したということなのか謎ですが、見た目が『来来!キョンシーズ』のバンボロキョンシーに似ています。

このキョンシー風魔が人を襲うシーンは緊張感があるものの、全体的にはほんわかした雰囲気の作品です。

しかし、ラストは悲しい結末が待っていて、このギャップがすごい!

エンディングテーマはわりと明るくのほほんとした感じで、観終わった後は奇妙な気持ちになりました。

明らかに子供向けの作品なのに、なぜこんな結末にしただろうのか・・・。

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