「霊幻道士」
「霊幻道士」の作品情報
原題: 殭屍先生
製作年:1985年
製作国:香港
監督:リッキー・ラウ
製作:サモ・ハン・キンポー
出演者:ラム・チェンイン、リッキー・ホイ、チン・シュウホウ、ムーン・リー、ポーリン・ウォン
上映時間:96分
「霊幻道士」のあらすじ
ある日、チェン道士が大富豪ヤンから先代である父親の改葬を依頼される。
ところが、墓地を掘り起こしてみると20年間も埋葬されていたにもかかわらず、遺体は全く腐敗していなかった。
風水的に誤った方法で埋葬されていたためにキョンシーになりかけていたのだ。
呪いが進行して危険な状態であると悟ったチェン道士が遺体を引き取り、処置を施そうとするが弟子のモンチョイとチュウサムのミスによって遺体は完全にキョンシー化し、義荘から姿を消してしまった。
その夜、ヤンはキョンシーとなった父親に襲われて殺害される。
チェン道士達はヤンの一人娘ティンティンを守るため、キョンシーを迎え撃つことに。
ところが、モンチョイがキョンシーの毒にやられてしまい・・・。
「霊幻道士」の感想
香港、台湾、日本などで大ヒットを記録し、その後に続く『幽幻道士(キョンシーズ)』などのキョンシーシリーズの基礎を確立した記念碑的作品です!
製作を務めたサモ・ハン・キンポーはキョンシー映画の生みの親とも言うべき存在ですね。
強くて頼もしい道士にイタズラ好きの弟子達、紅一点の女の子、バカな保安官の隊長、道士が操るキョンシー隊、お札・桃剣・銭剣・もち米・八卦鏡・紙銭(道士がばらまいている紙)など、
のちのキョンシー映画に使われる要素が満載です!
それにしてもこの作品はキャスティングがすばらしい!
先生ことチェン道士は、ラム・チェンイン
運動神経抜群でイタズラ好きのチュウサムは、チン・シュウホウ
おっちょこちょいでドジなモンチョイは、リッキー・ホイ
美人で気の強いティンティンは、ムーン・リー(←テンテンじゃないですよ)
チュウサムを誘惑する女幽霊シャンシーは、ポーリン・ウォン
キョンシー隊を操る道士は、アンソニー・チェン
個性的なキャラクター達が『霊幻道士』の独特の世界観に見事にハマっています。
ちなみに日本語吹き替え版と字幕版では、キャラクターの名前が若干違います。
先生は強くて頼もしいのですが、ちょっと見栄っ張りでかわいい所がある。
チュウサムとモンチョイは二人とも間が抜けていて、いいコンビですね。
アクションシーンでこの2人のコンビネーションは全くなかったような気がする・・・
先生とチュウサムのコンビは息が合って強いけどね。
ティンティンはとにかくカワイイ!まさに紅一点といった感じです。
ウェイはとことんバカで嫌な奴なんだけど、なぜか憎めない。いい味出してます。
シャンシーは不気味な幽霊なんだけど、最後はちょっとかわそうで切ない
道士は始めとラストの2回しか登場しないけど、なかなかインパクトがある。
もう一度、言います。この作品はキャスティングがすばらしい!
僕はこの作品を大人になってから観たせいか、ホラー映画なのに全く怖くなかったです。
もし、小学生の頃に見ていたら、シャンシーにはビビッていたと思いますが・・・。
キョンシーの姿が時間の経過とともに変わっていくのですが、だんだん怖くなくなっていく(笑)。
しかも、始めはピョンピョン跳んでいたのに、ラストの方では普通に歩きまくっています。
キョンシーが狂暴化して進化したということなのか?
キョンシー映画の見せ場と言えば、法術やカンフーによるアクションシーンです。
この作品では先生の法術やチュウサムのアクションシーンがカッコイイですね!
2人の息の合ったコンビネーションは見ごたえがあります。
さすが香港映画!
化け物(?)になったシャンシーと先生の戦いは、銭剣を使った法術に派手なアクションが織り交ざり、これぞ霊幻道士の戦いといった感じで面白い。
ただ、ラストの戦いはキョンシー映画とは思えない、法術なしの肉弾戦!
殴る、蹴る、棒やイスで叩くなど、とにかく力技でキョンシーを倒そうとしています。
「なんで法術を使わないの?」とツッコミたくなってしまう。
チュウサムのアクションは相変わらずカッコイイんですけどね。
法術らしきものを使ったといえば、突然現れた道士がキョンシー隊を操ったことぐらい。
キョンシー隊はあっさりと負けちゃうけど(笑)。
最後はネタ切れになってしまったのでしょうか?
法術一切なしの方法でキョンシーを退治しています。
とにかく、のちのキョンシー映画に多大な影響を与えた記念碑的作品であることは間違いありません。
「ファンならずとも一見の価値がある!」ような気がします。
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